「君の純粋な好きは証明出来たと思う?
ふふ、僕には出来たようには思えないなあ。それどころか君は他の男も引っ掛けて誑かすクソビッチにしか見えないんだけど、違うかな?
昨日なんて、体育でゴリラ教師に向かって走ってボール届けてたよね。教師まで誘うなんて君は悪い子だね。君のどこに純粋なものがあるの?
あるとしたならこの間僕が破り損なった君の膜かな?いや、それすらも嘘かもしれないね。ねえ、聞いてる?」
止まらない伊織くんの言葉に驚いているだけです。
呆然と立ち尽くす私に「確かめるまでだね。」と言って、私の唇にかぶりついた。
「まっ…!!!」
突然の事態に対応しきれない私は何かを発しようとすることしか出来なかった。
しかもそのせいで唇を割って伊織くんの舌が入り、暴れる。
「んんっ、息っ、ん!」
息!息!酸欠になるわ!!
とりあえず生きたい私は伊織くんを殴りまくる。
下唇を吸われたかと思ったら最後に唇を一舐めしてから離れた。
はぁはぁと肩で息をする私を面白そうに見る伊織くん。
ちゃんと話せるように距離を取る。
「い、伊織くん…。私分からないよ…。どうすればいいの?
伊織くんの考えてること、全く分からない。私、伊織くんの言う通りにしたよ。
何がいけなかったの?」
すると伊織くんはピクリと片眉を上げた。
「つまらない。」
「え?」
「君が僕以外の人間を視界に入れるのも、僕以外の人間が君を見るのも、ひどくつまらないね。吐き気がするよ。」
君は、僕のものになったほうが良いみたいだ。
と、優しく囁く声が全身を震わせる。思わずハイ、と返事をしてしまいそうだ。確かに伊織くんのことは好きだけど、こういう流れに飲み込まれるのは嫌だ…。
ああ、クラクラする。
なんでこんな洗脳術をお持ちなのでしょうか…。
「君の本能が僕のものになりたいって思ってるからだと思うよ。」
あれえ!?声に出てた!!


