先生が教室を出ていったあとすぐに1人の女の子がやってきた





「ねぇ、さっき尚樹くんに抱きついてたよね?2人はどんな関係なの?あ、名前言うの忘れてたね、私は高山栞菜、よろしくね」





「尚樹とは、幼馴染みなの、抱きついてたのはアメリカにいててその時のあいさつがそんな感じだったから、癖でついやってしまったんだ」





紗弥は、優しく微笑みながら言った





(この子絶対尚樹のこと好きだわ、嫉妬でもしてるのかも、気を付けないと痛い目に合うな)




栞菜は、「あっそ」と言い残すとそそくさに席に戻った





「なぁ、笠井は幼馴染みってことは彼氏いないってことだよな?」




「ええ、そうだけど?」




すると、質問してきた男の子はガッツポーズをして、また質問をしてきた




「じゃあ、好きな人はいるの?」





紗弥は、少し呆れながらも答えた




「いないよ、でも気になる人はいるかも」




周りは、騒然となり「誰だろ?」「アメリカ人かな?」「どんな人だろ?」とざわつきだした




「もう、この話は終わり!!他に質問ないの?」




紗弥は、その状況が少し嫌になりほかの質問はないか訴えた


すると、1人の女の子が立ち上がって紗弥の方に寄ってきた




「ねぇ、紗弥ちゃんは何部に入るの?あ、私は林真菜って言うの、よろしく」




「私は、ギターできるし軽音部に入るよ、今ギターあるから良かったら演奏しようか?」




「ホント!!聞きたい!!」




紗弥は、ギターを用意して演奏し始めた



すると、クラスの皆はその美しいギターの音色に聴き入っていた




そのとき、尚樹は歌い出した





「僕は、今更君が好きだって気づいたよ」




それに続くように龍星も





「君がこの世からいなくなる前は、ただの友達だったはずなのに今はなぜだろう、こんなにも君を好きと思うなんて」





紗弥も2人の歌につられて





「もっと早く気づけばよかったよ、そうすれば君がこの世からいなくなる前にこの気持ちを伝えられることができた」




そうして、歌い終わった頃にちょうどチャイムが鳴った




「ねぇ、尚樹、龍星良かったら学校案内してもらっていい?」




「ああ、構わないぜ、笠井もいいよな?」





「ああ、もちろんだ」





「そう、それは良かったじゃあ、昼休みにでも案内してよ?」




「ああ、もちろんいいぜ、でも昼飯食わないといけないから、松井も一緒に食おーぜ」




「うん、もちろんよ」




そう言ったあと紗弥はそそくさに真菜の方へ向かった




「ねぇ、確か真菜だったよね?一緒にお昼ご飯食べない?龍星と尚樹も一緒だけど」




すると、真菜は嬉しそうに「いいよ」と答えた





「じゃあ、また後で」





「うん、バイバイ紗弥!!」




紗弥は、真菜という新しい友達ができたことをすごく喜んでいた