(そういや、結婚してたよね?)
紗弥は、何かを企んでしばらく黙って
「そろそろ、離してもらっていい?さっき離すって言ったよね」
「離す“かも”って言ったんだぜ、だから離さない」
(離さないなら奥さんに連絡してやろうか)
「そんなに離したくなかったらお見合い結婚をした社長令嬢の奥さんに言いますけど?それでいいなら離れなくて良し」
尚樹は、すぐに離し少し歩くと振り向きざまにこう話した
「俺は、あの人と結婚したくはなかったんだ、ただ社長に言われて...」
「あんたの言い訳なんて聞きたくもなかったわ、まぁ早くカフェに行こ」
紗弥は、尚樹に並ぶようにして歩き出した
