想いはいつも...~6人の恋物語~

その頃尚樹は怪我をした為保健室に向かっていた




「お、笠井!紗弥知らねーか?さっき急にどっか行ってしまってよ」




遙斗が尚樹の方に走ってきた




「いや、知らねーな。でも、どこにいるかは分かるぜ、遙斗は部活に戻ってくれ、俺が探しとくから」




「助かるぜ、じゃあお願いする」




遙斗は、お礼を告げると部室の方に走っていった




(さて、紗弥を屋上から迎えに行きますか)





尚樹は、怪我のことを忘れて屋上へ走っていった




屋上に着くと紗弥は寝ていた




(こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ)



尚樹は、そう思い自分の来ていたジャージを掛けた




「ん、私寝てたのかな?」




紗弥は掛けられていたジャージに気付いた




隣には尚樹が寝ており紗弥は尚樹を起こした



「ん、俺寝てたのか...あ、紗弥起きたんだな、遙斗が心配してたぞ」



「あ、部活中だった...てか、なんで尚樹はここにいるの?」




「怪我してさ、保健室に向かってた時に遙斗に会って紗弥がいないって言うから迎えに来たんだ」




紗弥は尚樹の指が切れてることに気づき絆創膏を取り出した




「ねぇ、消毒とか洗ったりした?」




「いや、してないぜ」




「そう、ならちょっとしみるけど我慢してね」




そう言うと紗弥は、尚樹の指を舐めた



「おま、何やってんだよ!?」




尚樹は、慌てたように喋り、顔は紅くなっていた




「何って消毒でしょうが。このまま貼ったら良くないでしょ。ここには水道も無いし、舐めたのよ」




紗弥は、何か文句でもあるの?とでも訴えかけるような顔をしていた




(無意識でやってるのか?こいつそんな天然だったけ?)




尚樹は、あたふたしていた




「べ、別に文句は無いぜ...ただ、その
.」




「ただ?何よ、はっきり言いなさいよ」




「だぁー、なんでもねぇよ」




尚樹の手当てが終わると同時に部活終了のチャイムがなった



「もうこんな時間か...そうだ!今日一緒に帰ろーぜ!!」




「もちろん、いいに決まってんでしょ。じゃあ、準備が終わったら正門迎えに行くよ?」




「おう!よろしく頼むぜ、じゃあまた後で」




その後、尚樹は屋上から出ていった




紗弥もその後を追うように屋上を後にした