「何年ぶりにみんなに会うんだろう」



新幹線から降りて、改札口をでたとき、笠井尚樹はポツリと呟いた


「おーい!!笠井~!!」


改札口を出てすぐでかい声で尚樹を読んだのは松井紗弥だった


「紗弥、そんな大きな声で呼ばなくてもわかるぞ。」


「そう?笠井って昔から天然だったじゃん?」


紗弥はいつもの明るい口調で人をからかっている



(相変わらず、すぐ人をからかいたがる...)


尚樹はカバンから封筒を取り出し紗弥に渡した



「これは、手紙?」



紗弥は、不思議そうに封筒を眺めた



「いいや、それは写真だ。大体、俺が紗弥に手紙を書くと思うか?」



「いいや、思わないね。だって今まで手紙なんて一回しか貰ったことないもん」


尚樹は少し考えて思い出した



そう、あの日紗弥に渡した一通の手紙のことを


(今思うとなんであんな手紙書いたんだろうな)



思い出して思わずニヤけていると




「笠井、なんでニヤけてんのよ、気持ち悪...」



「な!?失礼な!!紗弥に渡した手紙のこと思い出してただけだよ!!」



照れ隠しのように言い訳をしていると紗弥もニヤけていた



「ていうか、そう言うお前もニヤけてるじゃねぇか」


そう言ったあと、紗弥は珍しく怒りもせずにこう言った



「だって、あの日までのこととか、あの日のこととか思い出したらニヤけてきたんだもん」



(普段なら怒るのに...)




そう思ったころには、紗弥は歩き出しており




「おーい、笠井~、早く来ないと置いてくぞ~」



と、言って尚樹に笑いかけた




「行くってどこに行くんだよ?」




尚樹は不思議に思い訪ねたが、どこに行くかは大体わかっていた



(どうせ、高校時代によく行ってた喫茶店とかだろ)


紗弥は、少し考えてこう言った




「高校時代よく行ってた喫茶店とか?」




「いいんじゃねーの?俺も久しぶりに行きたいしな」



そういって、尚樹は歩き出した