「うち、あかりっていうん!よろしくな!」

中学の入学式、夏実だけ一人違う中学に、入学することになっていた。

『いや!みんなと同じ中学に入る!』

『仕方ないでしょ?お父さんの転勤が決まっちゃったんだから!』

夏実は必死に抵抗した。どうしても小学生の頃の友達と別れたくなかった。

なぜなら、人見知りの激しい夏実が必死に頑張って作った初めての友達たちだったから……

ここで新しい学校にいったら友達なんて作れる自信がない……。

夏実は泣いた。卒業式に、みんながすすり泣いてる中で大泣きした。

「きみ、名前なんて言うん?」

そんな中での親しい口調。

入学当初、出席番号が近かったため前後の席になったあかりからの初めての言葉だった。