わたしは藤田くんにあまり……というか、全然人がいない物陰に連れてこられた


「え!?藤田くん?」



「……あの日、誕生日だったのか?」



「う……うん。そうだよ?ほら、放課後デート覚えてる?あの時にさらっと教えたかな?」


ギュッ



「えっ!?ちょっと藤田くんどうしたの!?」


なんでいきなり抱きしめて……!?


「ごめん!忘れててごめん!」



「え?……何言ってるの?当たり前だよ。流れでさらっと教えただけだし……忘れてるに決まってるよ」


「如月………」


「普通は、罪滅ぼしで付き合った人の誕生日覚えてる方がすごいよ………私の分も……私の分って図々しいけど、瀬奈ちゃんを大切にしてあげてね?」


これが、私の今の思い……


「………は?何言ってんの?」


「え?」


「だから!俺は瀬奈とは付き合ってない!」


そっか………



ん?


「え!?嘘!」


「嘘じゃねぇよ。瀬奈とはちゃんと話ついてる。確かに、前までは瀬奈の事ばっか気になって、なんで如月と付き合ってるんだろうって……でも今は……」


「うそ!だって両想いだったじゃん!」


「だからあれは……っ」


「それですごい辛かった。藤田くんは罪滅ぼしでも、わたしは好きだったから……ごめん。勝手なこと言って……」


グイッ


え?


目の前には藤田くんがドアップで、唇に柔らかいものが……



これって………キス!?


「んっ……」


でも、どうして!?



な、長い……