わたし、あなたのこと諦めます。




イルカショーが始まりました。


………ただ、全くイルカに集中出来ません。


だって隣に!


藤田くんがいるから!


心臓の音、聞こえてないかな?


はぁ………息苦しい


ある意味瀬奈ちゃんはすごい……


好きな人の隣にいて、しかも腕まで組んで!


チラッと藤田くんを見る………


横から見ても、整った顔してる


……あ!

藤田くんがいきなりわたしを見た


わたしと目が合った事に驚いている様子……


「ど、どうしたの………?」


「あ、いや………楽しんでるかなって思って……」


「う、うんっ!すっごく楽しい!」


「そっか……せっかくの修学旅行なんだから、楽しめよ?」


へっ?


「いや、ほら……なんかさっきから、つまらなそうな顔してっから」


そんな顔してたっ!?


うそぉ


変なところ見られた……


「ま、まぁ……それは少し、落ち込んでて……」


これは事実だし!


「?何に?」


そこ聞くー!?


「えっと、ほら……瑚晴にバカにされたの……」


なにか言わなきゃって思ったら、とっさに出た言葉がこれだった……

ま、その事で落ち込んでなんかないけどー


「落ち込んでたんだ……くくっ」


笑ったぁ……


でもなんか、騙してる気分……


「あははー。そうなんだよね……」


ついた嘘は引き返せない……


まぁ、そこまで大きい嘘じゃないし、平気か……