それから一時間先輩を狼にする特訓は続いた。


「先輩どーです?少しは慣れました?」


全然、と溜息交じりに出た答えに私は肩を落とす。

先輩…あなたほんとに男ですかって分かり切ったことを聞いてしまいそうになる。

だから先輩これを毎日続けてたら十分立派な狼になれますよって言ったら本気で嫌がられた。え、何で。

でもま、先輩の想いは十分伝わりましたよほんと。

だからこそ先輩。

もっともっと私にムラムラしてもらわなきゃ困るのです!


「先輩そんなところで休んでる暇はないですよ!ほらこっち来て。せめてキスくらいは余裕をもって出来るようになりましょ!」

「…まだやるの?」

「まだまだやります」


あなたを立派な狼に成長させるまで。


「ほら先輩んー」

「…っ夏…可愛いけどやっぱ無理」


その顔狼どころか赤ずきんです先輩。