「ゆみちゃんさあ、今それ言うのはズルいんじゃない?」 少し怒ったような口調になってしまった。 「結婚する人に告白する花崎君もズルいと思うけど?」 それはただ伝えたかっただけだと考えた時、ああ、ゆみちゃんも同じか、と思った。 「じゃあお互いさまだね。」 「そうね。」 「あ、そこ右曲がってすぐだからここでいいよ。ありがとう。」 2人を乗せた車はゆっくりと止まった。