「大丈夫?」
片手で抱きしめられて、近くにヒロさんの顔。
「はっ、はい、大丈夫ですっ」
だんだん顔が赤くなる。
ヒロさんは顎ヒゲにちょっと色の入ったメガネ。
大人の男の人の色気が漂ってる。
クスっと笑って、
「入ろっか。」
背中を軽く押されて店に入る。
「あれ?ヒロさん、女の子連れて出勤?」
カウンターには店の準備をしている男の人。
「いーだろー?」
ヒロさんは私から離れて、買い物袋をカウンターに置く。
端の席を指差して
「座ってて」
そう言うとカウンターの中に入る。
カウンターに入ると電話の子機を取ってどこかに電話しだした。
「はい。」
カウンターにいた男の人がお水を出してくれる。
「すみません・・」
「俺、卓弥っての。キミは高校生?」
笑顔で自己紹介。
「あ、はい。」
そう言うと笑いながら
「ダメじゃんっ!ヒロさんっ、女子高生って犯罪だよ!」
ヒロさんは電話を切り、
「ばーか、その子は俺んじゃねーの。優のだよ。」
「えっマジで?」
そう言うと、私の顔をジーっと見る。
「へぇ~、優ってこーゆー子が好みなんだ。」
ニコニコ笑いながら言う。
「こらっ!お前は働けっつの!」
お盆で卓弥さんを叩くヒロさん
「いてっ暴力反対っ」
卓弥さんは頭をさすりながら仕事を始める。
「はい。コレ、おいしいよ。青森産の特注リンゴジュース。」
「え?」
「もうすぐ、王子が迎えに来るからな、いい子で待ってな」
そう言うと私の頭をなでる
王子って・・・
優君、来てくれるだ・・・
赤くなって出してもらったリンゴジュースを飲む。
「おいしい!」
「だろ~」
すっごくおいしい!
こんなリンゴジュースはじめて飲むよ!
またリンゴジュースを飲んでいると、
視界が暗くなる。

