●優


夏休みも残すところ半分。


あれから結構順調だと思う。


毎日駅までひなを迎えに行く。


それが日課になっていた。





そんな時、カズトから電話がかかってきた。


いつもはヒロが連絡係で、カズトから掛かってきたのははじめてだった。


「優?いまから会えねぇ?」


真剣な声で。


遊びの誘いなら断ろうと思ってたけど、その声でただ事じゃないことが起こってるんだって事がわかった。


約束の場所は、いつものたまり場のヒロさんの店ではなかった。



話の内容は・・・・


俺の後輩とカズトの後輩が喧嘩した事。


喧嘩の内容がかなりえぐかったらしい。


俺らの高校とカズトの高校は、一つ上の学年まで喧嘩が絶えなかったらしいけど、俺らが仲良くしたことで、俺らからは喧嘩がなくなった。


後輩同士も結構仲良かったみたいなのに・・・


喧嘩を売ったのは俺の後輩、智久。


それが一番信じられなかった。


あいつは喧嘩を自分から売るタイプじゃない。


どっちかっていうと、仁と一緒で喧嘩を止めるタイプ。


俺は・・・・


見てみぬフリするタイプ。


だって、喧嘩って途中で止められると不完全燃焼で、悪化するだけだと思うから。


やりたいヤツはやってればいい。


そう思うから。


まぁ、時と場合で止めたりするけど・・・





で・・・




「俺にどうしろって?」


タバコに火をつける。


「相変わらず冷たいね、お前・・」


缶ジュースのプルタブを開けながらカズトがいう。


ココは家から少し離れた公園。


ベンチに座って足を組む。