「ひな?泣かないで」
優しい声。
優君には彼女が居るのに。
「も・・・やだよ・・・・・」
優君のシャツをギュッと握って言う。
涙目。
真っ赤な顔。
でも、優君の顔をじっと見て。
「優君と一緒に居るのが辛い・・・・」
私には優君しか見えてないのに。
私の中は優君しか居ないのに。
優君には彼女がいるんだよ?
優君をじっと見つめる。
傷ついたような、辛い顔してる。
なんで?なんでそんな顔するの?
「もう、私のことはほっといて。」
震える声を振り絞って言って優君の腕を振り払い走ってその場から逃げた。
もう、嫌われたかもしれない。
好きって告白する前から振られてるし。
「小林君も大野君もすっごい女遊び激しいじゃん?どうせあの子も遊ばれて捨てられちゃうよ。」
前にトイレで聞いた言葉が浮かんだ。
もう、遊ぶなら他の子相手にして。
もう、これ以上惨めな思いしなくないよ・・・・
走って家に着いた。
玄関を入って走って自分の部屋まで行く。
部屋に入り、ベッドの上に倒れこんだ。
涙があふれ出す。
「も・・・・やだ・・・・」
胸が痛いよ。
苦しいよ・・・・
もう、本当にどうしていいかわからないよ・・・
明日、学校行きたくない・・・・

