勉強はいつも6時までって決まりを作った。
帰り道。
仁君、凛ちゃん、タカくんは電車。
私と優君は徒歩。
駅までみんなで歩いて、その後はうちまで優君が送ってくれる。
遠回りだからいいよって言ったんだけど、「勉強教えてもらってるお礼」って。
でも、相変わらす無口な優君だから会話はほとんどない。
はじめはどうしていいかわからなくって、無理やりしゃべろうとしてみたけど、会話も続かず。。。
困っていると「無理してしゃべらなくても良いよ、静かなの好きだし。」
って優君が言ってくれた。
今では静かな時間が落ち着くぐらい。
「あのさ・・」
仁君たちとわかれてちょっと歩いたとき優君がしゃべりだした。
「ん?」
横に並ぶ優君の顔を見上げる。
「いや・・・・あの・・・」
目が合ってそらされる。前を見たまま鼻の頭を指でポリポリする。
「勉強の邪魔してない?」
またこっちを見てくれた優君がちょっとマユを下げて言う。
「え?なんで?」
邪魔?そんなこと全然ないけど・・・・
「いや、俺もだけど、中断して教えてもらってばっかだし。。。」
あぁ、そういうことか。
そんなの全然気にしなくて良いのに・・・
「大丈夫だよ。教えながら復習になるし、教えた方が頭に残っていいんだ。」
笑顔で言うと・・・
「そっか、わかった。」
ってまた貴重な笑顔が見れたんだ。
笑顔を見るたびドキドキする。
かっこいい。
さりげなくやさしいし。
好きだな。って思う。
一緒にいてドキドキするけど、すっごく心があったかくなる。
多分、優君は私のことなんて恋愛対象としてみてない。
だって、カッコよくて、優しくて、頭良くて・・・
私みたいな真面目で勉強しか取り柄のない子なんて釣りあわない。
でも、いいんだ。
こうやって、一緒に入れたら十分。

