とある怪盗の日常


体育の授業でのこと。

(今日はも跳び箱かぁ。)

ハルトは退屈そうにしていた。

それもそのはず。
ハルトは跳び箱が苦手というわけではなかった。
むしろ得意のほうだ。

しかし、ハルトは怪盗Nであるでため跳び箱では物足りないと感じてしまうようになった。

「空、それはやめとけ。」

悟の声がした。
その方向を見ると…。
空の前には8段の跳び箱があった。
悟が止める意味…。
それは…。

「お前まだ7段飛べてないだろ」

そう…。
空はまず7段という壁があるのだ。

「7段は無理でも8段は飛べるかもよ?」

「なんでそうなった!?」

さすがのハルトも呆れたのかツッコミをいれた。

「よっしゃー!いっくぞー!!」

「やめろおおおおお」

「あんたたちうるっさい!!
まじめにやれ!!」

「は、はいいいいいいい」

怒ったのは天道さえだ。
彼女は真面目で曲がったことが嫌い。

そんなところを見ていた二人の少女たちがいた。

「賑やかだねー」

「絵美、あなたもやりなさいよ」

「え?私できないから夢ちゃん先にいいよ」

「…そう」

最初に喋ったのは天野絵美。
続いて星川夢だ。

(天野…、できなくてもいいからせめてチャレンジはしよう…)

そう思ったハルトであった。
勿論、ハルト以外の皆もそう思ったのだ。