「今さら遅いですよ?
邪魔されたくないって言いましたけど
邪魔したって僕と彼女の間にあなたは入れない。
入る隙なんてない。
だから、諦めてください。」
今まで、外を見つめていた恋人が、今度はわたしを見つめた。
すると、さっきまでの恋人ではなくなり。
わたしを見つめては、微笑んだ。
「…あなたに、そんなこと、言われなくても…知ってます。」
一体、彼と何を話しているの?
ねえ、その笑顔の裏には何があるの?
「…そう、ですね。
最後に選ぶのは彼女です。」
その一言を言うと、恋人は、わたしに携帯を返してくれた。

