「さ、さっきも言ったけど、制服だってちゃんと着てるしっ……」
「いや、もしかしたら、制服着て学校に浸入しちゃうヘンタイサンが……いるかもしれないよ?」
「ちちち、違いますっ! 違うったら、違う!!」
顔から火が出るって言葉の意味が、バカな私でも、今なら理解できる気がした。
赤くなる私を白雪くんはどこか涼し気な顔で見つめる。
改めて見ると、肌が白いなあ……。私は普段外で走り回っているせいで日焼けしてるのに。
月明かりのせいか、余計に白く見えてるのかな。でも、不思議と怖くない。
「フフッ、アンタなんか変だね」
「だから、変質者じゃなーい!」
「違うよ、そう意味じゃない。アンタ、なかなか面白い性癖してる」
「ちょ、変な言い方しないでよね」
さっきかは、変変言ってるから、変な気分になって来ちゃった。
「……12回」
「え?」
彼はいきなり真顔になってつぶやく。
「今日の試合で、アンタがミスした回数」
「み、見てたの……!?」
「……窓から偶然見えたから」
私ってば、ミスし過ぎ……。
「それが証拠だよ」
はい?
「アンタがこの学校の生徒だって、証拠になっちゃったね」
