惚れた弱みは蜜の味♡


次の時間は体育らしく、ぞろぞろ出て行く生徒達を横目に教室に入るタイミングを見計る。あいつに何て言おうか全然思いつかなかった。


でも、あの人が出て行った後に、こっそり机から、取り出せばいい。何を隠そう、私の忘れ物は、机の奥でクシャクシャになってるだろう……テスト用紙。

それは誰にも見られる訳にはいかない。だって、あまりにも点数が悪かったから。やけになって、机の中に適当に突っ込んだのがいけなかった。


でも、これで取り戻せる!!


私ってば、天才!!


最後に出て行った生徒が電気を消したのを見て、教室に誰もいないことを確信する。



今なら行ける!!



そう思って教室に乗り込み
自分の席へ急ぐ。


その次の瞬間、一瞬にしつ目の前が真っ暗になった気がした。いや、元から電気はついてなくて、月の光だけが、教室内を照らしていたんだけど。



誰もいないはずの教室に、



人が、いたんだ。




「……アンタ、誰?」