テストも目前に迫ったある日、いつものように朝、教室で僕が話をしていると乾が口パクで何か言っている。




も、せ、ん、り、つ?



なんだそりゃ?

僕がよくわからないと言う顔をしていると、口の動きがまた大きくなる。



お?と?ほ?


……ほ、け、ん、し、つ!



あぁ!昼に保健室に来いってことか!
わかりにくいなー。









ガラガラ…


「先生、どんくさいよ!」


保健室に入るなり、乾にそう言われた。


「いやいや、あれはわかんないって!
で、今日はどうしたんだ?」


「乾くんが新たな情報を入手したそうよ。」


「実は、昨日の夕方、モモがヤクザみたいなおじさん達といるのを見たってヤツがいてさ。」


「「ヤクザ!?」」


「ハモるなよ(笑)
ヤクザみたいなだから、確定ではない。
ただ、俺の調べによると元彼の西村のオヤジが組員らしい。」


「えぇ!それはヤバいじゃないか!」


「ほとんど確定じゃないの。」


「それで、先生。次、モモが来た時に放課後、跡をつけよう!」


「うん。わかった!」


「よっしゃ!明日、来そうだな。」


「2人共気をつけてね〜。」






……………。