縫衣ちゃんと歩いていると

「葵ちゃん、縫衣ちゃん、おはよ〜」

と、私の肩をぽんっと叩いてふにゃふにゃした笑顔を向ける

ふわふわしたしゃべり方のこの人は

逢野悠郁(おうのはるか)先輩

学校一彼女大好きな先輩ということで有名なんです

すると

「あ!あおちゃん達やん、久しぶりやなぁ、最近部活に顔出せんくってほんまごめん」

両手を合わせて謝りながらでてきたのは

悠郁先輩の彼女、兼部長の

山月妹奈(やまつきまいな)先輩

皆は親しみを込めてまいちゃん先輩とよんでいる

三重県からこっちに来た人らしく、三重弁でよく話し掛けてくれる

「今日もまいは可愛いよな〜」

そう言いながらまいちゃん先輩を後ろから抱きしめる

「もー!はるちゃん!外では恥ずかしいからやらんとって言うたやろ!」

と、イチャイチャしている二人を見ながら縫衣ちゃんが

「リア充め…爆ぜろ…くうう…」

と言っているのは聞かないことにしよう

君はそのリア充になりたがっているんだからね…?

縫衣ちゃんの頭をポンポンとなでていると

「じゃあ、あおちゃん達!まあ部活で会おうな!」

そう言って、まいちゃん先輩が悠郁先輩の手を取って学校へ走っていく

ちなみに悠郁先輩は、サッカー部のエースだ

私達の部活は演劇部なので

悠郁先輩がいたら絶対に盛り上がるよね!まいちゃん先輩!引っこ抜いてきてください!

と、よく喋っている

あー、あの人顔はいのにな…

と考えていると

ドンッ

前の人にぶつかってしまった

「あ、すいません…」