あかね色にそまった空を、きみとふたりでながめる。

そのじかんはあたしにとってとてもしあわせなじかんで。


“きれいだね”


大好きなきみが夕日にまけないくらいのまぶしいえがおで言う。


“そうだね”


だからあたしも、せいいっぱいのえがおでかえす。


どちらからともなく手をつないで。


空があい色にそまる。

もうかえらなきゃ。


おさない頭で思ったけれど、あったかいきみの手を、はなしたくなかった。

だから、くらくなるまでいっしょに見た。

空を、まんてんのほし空をながめた。


さすがにおそいと思ったのか、お母さんがおむかえに来た。


“ほら、かえるわよ”

“やだ、かえりたくない”

“また明日も会えるわよ”

“ほんとに?”

“ほんとよ。それにおうちはおとなりでしょ?いつでも会えるわ”

“きみもいっしょにかえろう”

“うん!”


お母さんときみと手をつないでかえるかえりみち。

しあわせだった。


大好きなふたりにかこまれて、うれしかった。

これからもまいにち、こんな日々がつづくんだ。