「……なんで…… 振りほどかないんですか?」 春木くんが私との距離を離し、そう尋ねた。 「…………」 「振りほどけなかったわけじゃないでしょ?」 「…………」 そんなの 自分だって分かんない。 『春木くんの力が強い』っていうのだって 振りほどけない自分を正当化するための自分への嘘。 「ねぇ、センパイって俺のこと好きなの?」 それは昨日も聞かれた質問。 私はキッと春木くんを睨んだ。