小さな背中。 ウェーブがかかったセミロングの髪。 「センパイ!!」 俺が呼び止めるが、その背中は速度を緩めることなく廊下の角を曲がって行ってしまった。 「翔?」 飯田先輩が俺の制服の裾を掴んだ。 「どうしたの?」 「いえ……」 「ねぇ、もうちょっと。 物音のせいで少ししか……」 「すみません。」 俺はにっこりと先輩に作り笑いを向けた。