春木くんと別れた。 今度こそ。 お互いの意志で。 あのあと春木くんがどこに行ったのか知らない。 そんなことを考える余裕は私にはなかった。 ようやく私は 罪から逃れて、ささやかな安心感を得た。 深く、大きな傷と引き換えに。 消そうにも消えないくらい 深く深くえぐられたそれを私は泣きながら撫でるしかなかった。