「これからはさ、嫌だったら泣いてくださいね。」 「泣くようなことするの?」 「それは……まぁ」 春木くんは誤魔化すように咳払いをした。 そんな姿もいとおしくて、自然と頬が緩んだ。 「センパイ、ケータイなってます。」 春木くんが指差した先にはバイブする私の携帯電話。 気づかなかった。 夢中すぎて…… 表示を見ると、そこには一華の名前が示されていた。