「行くぞっ!!」

気合いを入れて、勢い良く地面を蹴る。

衝撃で地面が一気にへこむが、何、土魔法で直せる程度の物だ。

剣を構え、一瞬で相手の眼前へと肉薄する。

「っ!」

敵が慌てて剣を突き出すが、遅い。

しかし、訓練の賜物なのか予想を越える剣筋の良さである。

真っ直ぐな攻撃に剣の腹を当て、滑らせるようにして勢いを受け流す。

やはり、私には到底届かないだろう。

これは驕りではなく、冷静な剣士としての判断だ。

そして想定通りに横薙ぎの一撃を三角飛びの要領で避け、頭上から急襲する。

そのまま、全力で剣を降り下ろし.......

「参り、ました」

ぴたりと首筋で止めた。