不純な理由で近づきました。





学校で女の子たちに囲まれているときも、あんな顔は滅多に見ないよ。



つまり……それほどに嫌なんだね。


学校ではカインくんが女の子を退けてくれてたしね。うん。



とりあえず近づいてみると、やっぱり逆ナンパされてたらしい。



「ねーぇ、いいじゃない。私たちと遊びましょうよ」


「いいお店知ってるから、ね?」



恭くんの腕に自分のを絡みつけて誘惑してるようだけど……


お姉さんたち、ちゃんと見て。


本人ものすごく嫌がってる。


パッと見ただけじゃ分からないかもしれないけど、恭くんの瞳は絶対零度。


気づいてないお姉さんたちすごい。


思わず拍手を送りたくなるほどだ。



「……約束あるから」


「えー、友達と?じゃあその子も一緒でいいからぁ」



そう言うと恭くんの眉間にシワがよった。


せっかくのイケメンフェイスなのに勿体ない……とは言えない。


だってそんな顔でもかっこよく見えてしまうのだから。


恭くん、すごいな。




さて、わたしも一応は恭くんの友達だし、学校で助けてもらったこともあるし……


よし、と気合いを入れて更に恭くんたちに近づく。


できるかどうかは別として、できる限りのことはしないと。


わたしだって友達のために何かしたい。



「ねぇ、じゃあお茶だけでもいいから行きましょう?」


「っ、だから、」


「先約があるので、他あたってくれませんか?」



そう言って恭くんに絡んでいた手を振り払って、わたしは恭くんの隣に立った。


いきなり出てきたわたしに驚いたのか、一瞬みんなの顔がポカーンとなる。


こんな恭くんの顔、初めて見た。


お姉さんたちはすぐに不機嫌そうに顔をしかめて。


その変わり様素早いな。


笑いそうになってしまったけど無表情を貫き通した。