不純な理由で近づきました。





どうでもいいがわたしは気にしない方だとは思う。


気にしていたら自分の外見にももうちょっと気が回るはずだし。



「カイン、ちょっと」


「え、何恭?」



不意に恭くんがカインくんを呼んだ。


そのまま何か込み入った話になりそうだったので、わたしは先に教室に行くことにする。


残り時間少ないけど、大丈夫かな。


まぁ、あの二人なら少しぐらい遅れても平気そう。


次の授業は確か女の先生だし。



わたしが教室について数分後、二人はいつもと変わらない様子で教室にきた。


今まで特に気にもしなかったけど、入ってきたときの二人の注目度が半端ない。


一緒に帰ってきていたら、わたしもあんな風に視線を浴びていたのかと思うと気が滅入る。



…………あれ。


もしかして、恭くんはこうなることを予想して?


だからわたしと一緒に教室に戻らないように、カインくんを引き留めてくれたのだろうか。


カインくんは周りを気にしない性格っぽいし。


その分、恭くんがフォローに回っているところとかよく見るしな。


だとしたらかなり感謝だ。



授業中にお礼を言うべきかどうか散々悩んで、結局メールでただ『ありがとう』とだけ送ることにした。


もしかしたらわたしの考えすぎで、本当に大切な話だったのかもしれないし。


でもやっぱり、助かったのは確かだから。


我ながらかわいくない文面だと少し苦笑して送って三分後。


恭くんから返ってきたメールは『別に』だった。


それがどういう意味の『別に』かは分からないけど。


チラリ、とみた恭くんは少し照れているようにも見えて。



ふふ、と笑みをこぼしてそういう風に受け取っておいた。