「そういえばりっちゃん」


「うん?」



結局あのままお仕事は中断して浮かれきった兄さんとそれを止めることのないナルちゃんとごはんを食べて兄さんは先に寝てしまった。


さすがにこの季節だと風邪を引くことはないだろうけどリビングのソファーだし、ある意味体に良くないよね。後で起こさなきゃ。


そしてナルちゃんを玄関まで送っているときにふと思いついたようにナルちゃんは首を傾げた。



「りっちゃん、今日はなんで前髪切ってってお願いしたのかなーって」


「へっ?」



うん?と首を傾げるナルちゃん。え、えーっと、それは、その……



「で、できることからしようかなと、思いまして…」



うー、心なしか頰が熱い気がする。


でもナルちゃんには言ってもいい、かな。というよりは聞いてほしいのかも。