おずおずとそう言えばナルちゃんは驚いたようにパチパチとまばたきをした。
や、やっぱりいきなりすぎたかな?でもこういうのって勢いで言わないとうじうじしそうだし、自分で切るのは怖いし…ナルちゃんならそういうことの専門だからできるかなって思ったんだけど。
「だ、だめ?」
「…んーん、いーよ。りっちゃんのお願いだもんね」
ぽんぽんと頭を撫でてくれるナルちゃんにわたしは笑顔で「ありがとう」と言った。
「じゃあ早速、トモが帰って来る前に切って驚かそっか」
おいで、と手招きされてナルちゃんの後についていく。お風呂場まで行くとナルちゃんは「ちょっと待っててねー」とどこかに行ってしまった。
少しすると鋏を持ってきたナルちゃん。軽い気持ちで頼んだけど意外と本格的というか…もしかしてノリノリだったりするんだろうか。やる気いっぱいに見える。
「はい。これ被ってー」
「な、なんか本当の美容師さんみたいだね」
「本当の美容師さんでもあるからねー」
それもそうだと思いながらケープを被り、ナルちゃんの持ってきた椅子に腰をかける。
「前髪もそうだけど後ろもちょっと整えよっか。せっかくのりっちゃんの決断だからサービスだよー」
「ふふ、ありがとうナルちゃん」
どういたしましてー、とニッコリ笑うナルちゃん。
どんな風にしたいとかの意見は特になかったので後ろはあまり短くせずに前髪はナルちゃんのお任せにした。


