不純な理由で近づきました。




最後に「わかった」と言ってケータイをしまった恭くんを見上げる。



「カインくん、なんて?」


「河原の方にいるってさ」


「河原、ですか…」


となるとあっちの方だけど、果たしてそれだけの情報で見つけられるかどうか……みんなが目立ってるとは言え範囲広いし。



「とりあえず行くか」


「ですね」



苦笑混じりに頷いてわたしと恭くんは河原の方に歩いて行った。


河原は意外に人気なところなのか近づくにつれて人の数も多くなっていき、身動きも制限される。



「六花、大丈夫か?」


「う、ん…なんとか」



置いて行かれないように恭くんの背中を見失わないように後を追うけどこの人だかり。この年で迷子とかかなり遠慮したい。


なんとか人の間を縫って歩き、楽に呼吸のできるところに出た。冗談抜きで潰されるかと思った……


はぁ、と大きく息を吐くわたしに対して恭くんはまだまだ余裕そう。長身というのは羨ましいな。



「あ、あそこだ」


「へ」



嘘、もう見つけたの?


唖然としながら恭くんの指す方を見るとそれらしき人たち。……身長が高いって本当に羨ましい。



「行くか」


「うん」



カランコロンと軽やかな音を立てながら階段を降りて行く。


下駄って慣れてないからちょっと怖い。それに暗くなってきたし持ち物もあるし…これ、転んだらすごく恥ずかしいだろうな。