サラリと言われた台詞に思わず「へっ、」と声を上げてしまった。
ユスラちゃんにあんな兄さんのことを押しつけるなんて……!(ナルちゃんは常識人だからいい)
いやいやその前にユスラちゃんが残るということは必然的にわたしは恭くんと2人っきりになるわけで。
それを想像しただけでなんだかドキドキしてしまった。
「え、あ、あ、あのっ」
「じゃあよろしく」
え!?と思ったときには緩く右手を掴まれて、戸惑うわたし笑顔のユスラちゃんに見送られて恭くんと人混みの中に足を進めていた。
繋がれた右手から恭くんの体温を感じる。
当たり前だけど、手のひら大きいんだな…少し前を歩く恭くんをそっと見上げる。
どうして今さら、手を繋いだぐらいでこんなにドキドキするんだろう。
手のひら大きいとか体温が気持ちいいとか、あんまり力入れないで痛くないように配慮してくれている、とか……そんなことが気になってしまうんだろう。
「六花、何食べる?」
「えっ?あ、えっと、」
な、何も考えてなかった……というよりは考えていたけどいろいろ予想外なことにそれも吹っ飛んでしまったというか。


