不純な理由で近づきました。




不安に顔を曇らすわたしにユスラちゃんは「大丈夫ですよ」とニッコリ笑う。



「お兄ちゃんっていう男避けもそばにいますし、あぁ見えてイリアちゃんもサユちゃんも昔は武道してましたから」


「え」



初めて聞く話に思わず目を丸くした。というかあんな綺麗な人たちが武道って……意外だ。



「それにあの2人に声をかけようとするほど度胸のあるやつもそうそういないだろ。それより何食べたい?」



さっさと買いに行こうと言う恭くんに頷いて振り返る。そこにはさっきと変わらない光景。


全く……いつまで経っても子どもなんだから。まだしばらくかかりそうだと苦笑がもれる。



「ナルちゃんもいるし、先に行きましょうか」



あの2人なら放っておいても平気だろう。いざとなったらケータイもあるんだし。


ここで2人の(というより兄さんの)言い合いを待っていたらあっという間に時間がなくなってしまう。



「あ、じゃあ2人で行ってください。ぼくはトモさんとナルさんと行きますから」