「わぁ、どんなのか興味あります!」


「あ、ぇと、わたしは、」



キラキラと輝く無邪気な笑顔に後ずさると、ひょい、と手の中から重みが消えてわたしは振り返った。


そこにいたのは向こうにいるはずのイリアさんとサユさんで。



「へぇ〜」



とわたしが手に持っていた浴衣を吟味するかの如く見る2人に思わずゴクリと息を飲んだ。


なんだろう、この緊張感。まるで家庭教師に自分のテストの結果を見られているような感じ。



「うんうん、六花ちゃんっぽい!」


「えぇ、古風で控えめなところがまたそそられるわ」



うん、と2人同時に何かを決断するように頷く姿にわたしはただ立って呆けているだけだった。



「イリアちゃんもサユちゃんも決まったの?」


「えぇ、ユスラは?」


「ぼくはこれ。2人は?」



こっちよ、と言われてそちらに行くユスラちゃんのあとを追う。


何を着てもまずハズレはないだろうが、実際にどんなものを着るのか純粋に興味がある。