「イリアちゃんもサユちゃんも、これ以上六花さんに何かしたら変態がいますって通報しちゃうからね」



まるでわたしを守るかのようにユスラさんがイリアさんたちの間に入る。


こんな年下の女の子に助けてもらうとは……


少しふがいないとは思うものの、すごく安心してしまった。



「あの、わたしそろそろ……」



ちょっとわたしにはお湯が熱かったのか、ここにいるとのぼせそう。



「そう?あ、六花ちゃんの着替えは手前の籠で、白い浴衣が入ってると思うわ」


「分かりました」



イリアさんたちはまだまだ余裕そう。


タフだな、と思いながらも先にお風呂からあがった。



「手前の籠……」



覗くと確かに白い浴衣が入っている。


ここの旅館は、お客さんに好きな浴衣をレンタルするサービスがあるらしく。


今着ていた洋服しかないわたしにはありがたい。


あ、でも下着、と一瞬固まったが、抜かりなく置いてあった。


多分、サユさんが置いてくれた……んだと思う。


しかもサイズがピッタリ……本当に抜かりない。


さっさと浴衣に袖を通して、軽くドライヤーで髪を乾かす。


その後通路に出ると少しだけひんやりしていて、火照った体にはちょうどよく感じた。