「あぁん、サユまでぇ……」
いじわるぅ、と言って更にわたしを抱きしめる力を強くするイリアさん。
だ、だから、力強いです。苦しいですって。
とは言えない自分が悲しい。
「そういうわけで帰ってきたの。
でもまさかカインの友達が来てるなんて思わなかったわ」
「ボクも三人が帰ってくるなんて思わなかったよ……」
ごめんなさいね、という声音には悪いなんて感情は含まれていない。
その代わり色気がこれでもかというほどに感じられた。
見た目だけでなく声まで色っぽいとは……サユさんの声はお酒みたい。
あんまり聞かない方がいいかも。
「でもま、帰ってきて正解だったかもね」
「きゃ……」
引かれた体に、スパイシーな香りが強まる。
次はサユさんの腕の中か……って。
どうしてわたしは抱きしめられているんだろうか。
隣ではずるい〜というイリアさんの声が聞こえた。
あなたもさっきまで抱きしめていたんですけどね。
「こんなかわいい子に巡り会えたなんて……
私の触手が動いたなんて久しぶりだわ」
うふふ、と妖艶に笑うサユさんに、カインくんと恭くんがぎょっとしたような目を向けた。
ユスラさんも目を丸くして、イリアさんはあらあら〜なんて言っている。
わたしも突っ込みたいことがあります。
触手が動くって……どういう意味でしょうか。


