この声は、イリアさんかな。
甘い香りって、雰囲気がイリアさんにピッタリ。
「そうね、この光る原石のような子……是非手元に置いておきたいわ」
スルリ、とサユさんに頬を撫でられて背中にゾクッとしたものが走る。
な、なんか、手つきが怪しいのですが。
「サユちゃん、初対面の人にそれはない。
変態にも程があるよ、ちょっと抑えて」
そんなユスラさんの言葉にも止まることのないこの手つき。
だ、誰か助けてほしいです……
「だぁーー!!!イリアもサユも六花ちゃん離してあげてよ!!」
わたしの祈りが届いたのか、カインくんがそう言ってくれる。
拝みたいほど今のわたしにはありがたい。
でも逆に、更にぎゅうっと力を入れられる。
少し苦しいです……
「それより!!
旅行に行ったはずの三人がどうしてここにいるの?」
あぁ確かに。
いろいろなことが急にありすぎて気づかなかったけど、この家にはカインくんだけって聞いていたのに。
恭くんも気になるようで、無言で頷いていた。
「それが、ねぇ……」
「イリアちゃんが新幹線のチケット予約し忘れたんだよ」
言いにくそうに口ごもるイリアさんの代わりに、ズバリとユスラさんが口を開いて言った。
「やぁん、だって最近忙しかったんですもの。
仕方ないじゃない」
「自信満々で任せてって言ったのはどこの誰だったかしらね」


