決着①




『前に語ってもらった君の蟻の好きな所、確かにそれはそれで好きになるのは充分だと思う。

しかし私が一番気になる所は違っていてね、あの小さな体で任務を全うしようという強い責任感、勇気、そして強さ。
私が蟻を好きになる日がきたらきっとそこを好きになるだろう。

それと同じ物がまさに今君から感じられたんだっ私はその性格は嫌いじゃない。』

『源一さん・・・』

あくまで蟻好きを認めようとしないが、そう語ると、源一さんは俺の一番聞きたかった事を告げてくれた。

『いいだろう。君の言葉を信じて我が社に採用しよう。そして、



娘をよろしくお願いします。』


源一さんはふかぶかと頭を下げてくれた。

それを聞いて、内心だけ歓喜乱舞している俺は、心を落ち着かせながら返事を返すが、

『はいっ、期待に背かないよう娘さんを必ず幸せにしてみせますっ。どうか、これからも末長くお願いします、お義父さん!!』

調子に乗って源一発火装置に点火してしまった。