譲れぬ思い⑦




『・・・アリはアリ、人間は人間だ。』


っ!?

源一さんの一言は短いけれど、俺の力を奪い、燃え尽きさせるには十分だった。


これでも・・・崩れないのか・・・

力の入っていた体もいつの間にか完全に力をうしなっていた。


もう、手なんて残ってないよ・・・空っぽだぃ。


絶望


今の俺にこれ以上当てはまる言葉があるだろうか。

喪失感と焦燥感が身に染み、暗く深い闇に心の光が覆い被され、飲み込まれていく気がした。



しかし、



『・・・だが、私はアリのそういう所は嫌いだとは思わない。』



光はまだ完全に輝きを失ったわけではなかった。