反撃②



俺が蟻の長所を話続けてる間源一さんは、無表情だった。

そして俺が話終えると

『まぁ、どうやら君は好きな物に対しては辛くても我慢出来る強さはしっかり備わっているみたいだな。

じゃなきゃそんな蟻をじっと見続けるなんて辛抱強い事は到底出来ないだろうて。』

と、口元が一瞬緩んだ気がした。

同じ趣味に合わせる為に喋った事なのに意外な+方向にとってくれたらしい。

これは俺にとって嬉しい誤算でもあった。


そして源一さんは最後に一言

『それを聞いただけでは蟻の良さはまだわからないがな。』

意地でもまだ『自分も同じ趣味で~すウフフ』と認めない気か。

そんな源一さんはみたくないが、やはりこの敵の筋がね入りの頑固さを折るのは並大抵な事じゃ無理っぽい。

源一さんの口元が緩んだのはホンの一瞬でまた、いつもの威圧感たっぷりの顔に戻る。

そしておもむろに立ち上がり部屋にある窓の方に歩きながら語り始めた。