覚醒①



無意識に俺はしょぼくれた顔をしていたのだろうか、突然静江さんが

『大丈夫ですよっ佐藤さん』

と優しく声をかけてくれた。

『あなたの事は千鶴から色々聞いてます。

普段は少しだらしない面もあるけれど、やるときはやる人だと、あなたの色々な話を語る時はいつも千鶴は幸せそうな顔をしていましたっ。

そして、千鶴は常にあなたの事を信じていると。』


『千鶴さんがそんな事を・・・』


けど、はっきり言ってそれは本当の俺じゃない。

あくまで彼女の前だから、恥ずかしい面を見せたくなかったから俺は気張って自分を繕っていたんだ。


なのに、そこまで信じてくれているなんて、、、バカ野郎。。

俺は爪が掌にめり込む位力強く拳を握りしめた。


『だから私も信じて、応援していますよっ。今、千鶴を幸せにしてくれているあなたの事をねっ』