面接前日⑦


チェッ、カワイイな~ちくしょう。

そんなにも俺の事を思ってくれてたんだなっ・・・。
まぁやった事は誉められないけどね。

けど、千鶴の思いが嬉しくて、いつの間にか俺の怒りの気持ちは静まり、その気持ちは愛しさへと生まれ変わっていた。

そして、同時に


もうっ、こうなったらやるっきゃねえよな!!


千鶴の千鶴なりの愛情は俺の心に戦いの火を灯した。

『あ、ありがとうなっ千鶴。』

何だか急にお礼1つ言うだけで恥ずかしさが込みあげてきた。

『そんなっ、結局パパはいいよって言ってくれなかったし、私は局面を悪くしただけだよ。。
だけど、秀ちゃんは自分が思っている程駄目な人間じゃないよ??
そうだったら私は2年も一緒にいないもん。
だからきっと秀ちゃんが全力で当たれば、パパは心を開いてくれるはず!。もっと自分に自信を持っていいよ!』

バ~カッ俺はそんな立派な人間じゃないさ。

だけど、お前を想う気持ちは何にも、誰にも負けやしないよ。

心の中でそう呟いてから、俺はもう一度言った。

『ありがとうっ千鶴』