2日前①


近くの駅から自転車で10分程の距離に、取り立てて特徴もなく、どこにでもあるような1Kのアパートがある。

そこに一人で住む、高卒フリーター2年目、佐藤秀人は、朝からベッドの上でずっと枕に顔を埋めながら悩みもがいていた。


衝撃の事実を告げられた昨日、心配そうな彼女に

『えっそんなの余裕だから大丈夫だよ??あはは~~ぁ』

と、終始一生懸命な作り笑顔で焦りと嘆きを悟られないようにその時を貫き通した俺。

それが功を奏したのか、彼女の顔から心配は消え、いつもの笑みが戻っていた。

そのまましばらく談笑していると、気付くと時間も夕方に差し掛かっていたので、俺はそのまま近くの駅まで彼女を送っていったのだった。

それからというもの、ずっと今みたいな

終電の扉が目の前で閉じた時のように、真っ白な灰状態だ。