2日前⑥

鬼公子の回想はさておき、俺は携帯を開き彼女に電話をかけようと通話ボタンを押そうとした。
だが、指はボタンを押す事は出来なかった。

ふいに、携帯の右上に表示されている時計に目をやる。そこに刻まれていた時刻は既に、彼女はとっくに寝ている時刻だったのだ。

『ふ、不覚だ。あんな話に夢中になるんじゃなかった。』

俺は理由が理由なだけに肩を落としがっくりうなだれた。そして思った。

『やっぱり奴は黄金何かじゃねえや。』

八つ当たりとはわかっているがあえて人のせいと言う名のポジティブに考える事にした。

俺にはもうそんな事でうなだれている時間はなかった。

明後日には面接なのだから。

父親の話を聞く以外にもやるべきことはまだまだたくさん残っている。

それらを全て終わらせ、果たして万全な状態て面接に臨む事が出来るのであろうか??。


『今日は後適当に履歴書書いて飯食って寝よっと。ついでにゲームも少しやるかなっ』



本当に大丈夫なのだろうか。