顔はいいのに、ブス専、とか。

ど、どどどどどうしよう。


あわわとあたしは口に手を当ててるけど、当の本人はけろっとしている。
先に歩く緋人は、くるっと振り向くと。



「なあ、杏奈、あっちにアイス売ってる」


前の方を指さしながら笑う。



「さっき、食べたけど」

「ああ、そっか!忘れてた」

「………」


いや。
つい、五分前の話だけど。




「なあ、杏奈さ、俺が甘い物好きってどう思う?」

「甘いもの?好きなの?」

「うん、大好き。チョコも、生クリームも、あんこも」

「ふ~ん、いいんじゃない」

「そう?」



緋人はそう言いながら、さっきあれだけ食べたくせにアイスを頼んで買っていた。
それを口に頬張りながら、幸せそうな顔をする。