がっくし肩を落としてる緋人は、急にしゃきっとすると 「まあ、杏奈の貰い手いなかったら俺が貰ってやるよ」 そう、上から目線で言われたから 「結構です」 と、ぴしっと即答してやった。 「…いいけど。後悔するなよ!」 「しないから!」 彼氏にしたことですら後悔してるのに、後悔なんてするか。 皆が皆、あんたを好きなわけじゃない。 「杏奈、お腹空いた」 「……」 本当にこの人はころころ話が変わりまくって。 大きく溜息をついていると、緋人は背筋を伸ばして遠くを指さした。