「夕陽に照らされて、真っ赤に見える。 けど、金なんだ。赤のがいいと思うよ」 「……」 「あ。やっばおつかい頼まれてたんだった。それじゃーね!」 そうやって慌てて戻って行く後ろ姿を俺は呆けながら見つめた。 杏奈は知らないんだ。 俺が何で髪の毛をずっと緋色にしてるかなんて。 皆、自分の名前からとったんだろうって思ってるけど。 違う。 杏奈がそっちの方がいいって言ったからなんだ。