「……うん、好き」
「うん。俺も大好き」
掴まれた指を、緋人は絡ませていく。
ぎゅうっと握られて、引っ張られた。
それに素直にしゃがみ込む。
「俺の女で後悔しない?」
「緋人は?あたし、緋人に相応しくなんてないよ」
「はは、俺がどんだけ杏奈に救われてると思ってんの」
「何それ。わかんない」
「わかんなくていいの。俺が杏奈の事好きだから。
相応しくないなんて思うなよ」
「うん」
「杏奈がいない時は何とも思わなかったんだけどな。
一旦、手にしたら俺杏奈いないともう無理みたい」
腕があたしの背中に回る。
緋人に腕の中にあたしはすっぽりと収まった。



