「……俺が杏奈以外どうでもいいって言ったの憶えてる?」
「……うん」
「まさにそれ。杏奈がいなくなったら、一気にモデルって仕事にも興味失せちゃってさ」
「……」
「それで、どうしよっかなーって思いながらここでヒマワリ見てた。
ドタキャンなんて事したら杏奈に幻滅されんのわかってんのに」
「でも、あたしこそ幻滅させたでしょ?」
「ああ、うん。……あれもさ、言ってから相当後悔したんだよね。
でも俺から言ってしまった手前、すぐに連絡も取れないし。
それに杏奈に俺の連絡先消されてて、かけた時に“誰ですか”なんて言われたら立ち直れねえって思って」
「……」
「……ねえ、杏奈。俺の事好きなの?」
口元を腕で隠しながら、緋人はあたしを見上げる。
上目遣いの緋人。



