「それ、本気?」 「うん」 「だって、そんな素振りなかったじゃん」 「うん」 「ちょっと、待って」 緋人はヘナヘナとその場にしゃがみこんだ。 それから、両手で顔を覆って大きな溜め息をつく。 「あーーーもう」 急に緋人がそんな声を出すから、体がびくっとなった。 と、同時にあたしの指を掴まれる。 指から伝わる緋人の温もり。